次々に開発される高度な安全技術や環境技術が導入された現在の自動車を整備するためには、診断機器を使用し高度な故障診断技術を身に付けたエンジニアが必要となっています。
現在地球上では11億台ものクルマ(四輪・二輪)が走っていますが、これらのクルマを環境に優しく、安全な状態で走らせるためには、自動車エンジニアによる信頼性の高い整備技術が必要不可欠です。
特に最近では、地球環境を意識して開発された、HV(ハイブリッド車)、EV(電気自動車)、CNG(天然自動車)や先進技術を利用して安全運転を支援するASV(先進安全自動車)など、様々な、最新技術の自動車が走り始めています。従って、自動車エンジニアは、これからの新しい車社会で主流になる最新の技術にも対応できる技術・知識が必要となります。また、企業が求めている優秀なエンジニアとは、専門的な技術・知識を身に付けているだけでなく、お客様へ、適切なアドバイスができる能力を持っている人材です。このような最上級の自動車エンジニアが一級自動車整備士なのです。
主な就職先
自動車整備業が大半を占めています。しかし、最近では、メーカーの開発・設計や実験・評価のセクション、メーカーの全国系列店で整備士の技術を指導しレベルアップを図るセクション、損害保険の事故調査部や整備マニュアルの編集といった部門へも就職する学生が増えています。一級課程での教育内容の幅広さや奥行きの深さ、そこで身につけた専門知識や適応力が生かされていると言えます。
待遇
一級課程卒業生の待遇は、地域や企業による差はありますが、一般的に四年制大学卒業者と同等になっています。
就職先(例)
- 国産乗用車メーカーの販売会社で整備士
- 外国乗用車メーカーの販売会社で整備士
- 二輪メーカーの販売会社で整備士
- 大型メーカーの販売会社で整備士
- 建設機械・リース会社で整備士
- 国内乗用車メーカーで開発・設計
- 国内乗用車メーカーで実験・評価
- 二輪メーカーで開発・設計
- 建設機械・リース会社で開発・設計
- 国内乗用車メーカーで技術指導員
- 自動車大学校で教員
- 国内乗用車メーカーの整備マニュアルの編集員
- 損害保険会社で自己調査・見積り
企業の評価
採用する上で企業が考えるメリットは、上位3項目で86%を超えており、企業の求める「人材像」と合致していると考えられます。これは、一級課程のカリキュラムの特徴である接客意識と、インターンシップで身につけられた職業意識が評価されていると言えます。また、これからの業界では、4年間学んだ一級課程卒業生たちに対する高い期待度もうかがえます。
企業が考える一級採用のメリット
- 就職意識が高く、幹部候補生として期待
- コミュニケーション能力と接客意識が高い
- 他店との差別化(企業イメージの向上)
自動車が好きな人、メカが好きな人、お客様対応が好きな人が整備士に向いているでしょう。
一級自動車整備士の勉強をする事は機械知識を得るだけでなく、人間性豊かな人材育成にもなっています。自動車業界のトップランナーとして期待されている資格、それが一級整備士です。